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皆川 裕介
2022/6/14
賃貸アパートや分譲マンションなど、ご自宅を古物営業の事務所として使いたいと考えている方も多くいらっしゃいます。
しかし、集合住宅を営業所として古物商の許可申請をする場合、許可を取得できない場合があります。
「うちの自宅を営業所として使えるのか、判断方法を教えて欲しい」
「自宅が使えない場合は、どのようにして許可を取れば良いのか教えて欲しい」
こちらの記事は、このようなお悩みをお持ちの方に向けて書いています。
結論から申し上げますと、自宅を古物営業の営業所とすること自体は、古物営業法上は何の問題もございません。
ただし、管轄の警察署によっては、周辺住民とのトラブル防止のために、貸主・管理組合等からの承諾書取得を求められる場合があり、申請のハードルになります。
これから、ご自宅を営業所として使えるかの判断基準、承諾が貰えない場合の対処方法について解説していきます。
それでは、まいりましょう。
古物営業法は、営業所が備えるべき要件として「実在性」と「独立性」という2つの要素を求めています。
この2つの観点から、ご自宅の一室を古物営業の営業所として登録することは、通常問題がありません。
しかし、現実問題、ご自宅を営業所としようとした時に、警察署から「待った」がかかることは少なくありません。
それは、周辺住民のトラブル防止という観点で、集合住宅を古物商の営業所として使う場合は、周囲の同意を取り付けるように…という指導をしている警察署が多いからです。
あくまで、警察署ごとの自主的な取り組みであるため、地域によって取り組みにバラつきがあります。
そのため、管轄の警察署に事前に確認を行い、調整をする必要が出てきます。
マンションのような区分所有物件では「管理規約」が定められています。
管理規約には用法・使用目的が定められており、多くの場合、”居住専用、営業活動の禁止”といった内容が記載されています。
自己所有であるか、賃貸であるかに関わらず、マンション管理組合や理事会から「承諾書」を取得するよう、警察署から指導されることがあります。
現実問題、管理組合から承諾書を貰う際には、管理組合の普通決議(出席者の1/2以上の賛成)を経る必要があり、困難であると言えます。
そのため、管轄の警察署から管理組合の承諾書の提出を求められる場合は、ご自宅を営業所とすることを断念せざるを得ない場合もあります。
賃貸借契約書の使用目的を確認しましょう。賃貸借契約書の使用目的の項目には、やはり”居住専用、営業活動の禁止”といった内容が書かれていることが多いです。
管轄の警察署によっては、大家さんから「承諾書」を取得するよう指導されることがあります。
アパートは区分所有物件ではなく「管理規約」のような規定は存在しません。
アパートの所有者である大家さん1人を説得できれば、「承諾書」を取得できる可能性は十分にあります。
営業の実態を説明し、荷物の搬入などが頻繁に行われたり、居住環境に大きな影響を与えないことを説明できれば、大家さんも納得しやすいでしょう。
賃貸借契約書や管理規約の内容を踏まえて、管轄の警察署に電話をかけて、必要な提出書類を確認しましょう。
営業所に関する提出書類は、管轄の警察署によって違いがありますが、令和2年4月の古物営業法改正以降の傾向として、営業所に関する添付書類は簡素化されている傾向があります。
とは言え、古物商の許可は地域性が非常に強い手続きですので、事前に管轄の警察署へ確認するようにしましょう。
警察署が、管理組合や大家さんからの承諾書の提出を求めていて、どうにも承諾書が貰えそうにない場合、実家等の別の物件を営業所として申請する方法が考えられます。
ただし、この方法をとる場合、営業所の管理者を誰にするかについて、留意する必要があります。
古物商の営業所には、かならず専任の管理者を選任する必要があります。
そして、営業所の管理者は、営業所に常勤できるひとでなければなりません。
申請者の住所から実家まで片道2時間以上かかる場合など、申請者が実家に常勤することが難しい場合は、家族に営業所の管理者になって貰う必要があります。
営業所の管理者のルールについては、こちらの記事で詳しく解説しております。
● 関連記事 古物商の許可|営業所の管理者を選ぶ前に知っておくべきこと

ご自宅を営業所として、古物商の許可申請をする場合、注意すべきは管理組合や大家さんから取得する「承諾書」です。
管轄の警察署によって、求められる場合もあれば、求められない場合もあります。
ご自宅の賃貸借契約書や管理規約を確認した上で、警察署に電話をかけて、必要書類を確認するようにしましょう。
居住用物件に限らず、営業所の選び方について詳しく知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。

この記事を書いた人
行政書士(登録番号:19080399) / 日本証券アナリスト協会検定会員
株式会社ショシナビ 代表 ショシナビ行政書士事務所 代表行政書士 古物商許可を専門分野とし、全国対応で許可申請および実務支援を行っている行政書士。 2026年7月時点で、古物商許可に関する申請・相談対応を累計3,335件以上行っている。 無許可営業状態からの是正、法人・多拠点での申請、業態変更や移転に伴う変更届対応など、 古物営業法の運用を踏まえた実務対応を継続的に行っている。