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パチンコ景品交換所が直面するインボイス制度と古物商特例とは?

皆川 裕介

2023/2/24

2023年10月1日から始まる「インボイス制度」により、パチンコの景品交換所の消費税納税額に大きな影響が生じることが、業界で話題になっています。その対策のひとつとして注目を集めているのが「古物商特例」という制度です。

この記事では、古物営業法を専門に取り扱う行政書士が、景品交換所ビジネスに焦点を当てて、インボイス制度が及ぼす影響、古物商特例の活用法について詳しく解説していきます。

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目次

1.  パチンコ景品交換所にとってのインボイス制度とは?

インボイス制度により「帳簿」と「適格請求書」の保存が必要に

インボイス制度は、消費税法改正により2023年10月から新たに導入される新しい消費税の申告・納付方法です。

消費税は、商品販売時に販売先から受け取った消費税から、商品仕入時に仕入先へ支払った消費税を差し引いた額を納税する仕組みです。この仕組みを仕入税額控除と言います。

インボイス制度が導入されると、仕入税額控除を受けるためには、原則として「帳簿」と「適格請求書」などの請求書の保存が必要となります。

適格請求書とは

適格請求書とは、以下の記載が記載された書類のことを言います。

  • 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号

  • 取引の年月日

  • 取引の内容

  • 取引の税率毎の合計代金及び税率

  • 税率毎の消費税額等

  • 書類の交付を受ける事業者のの名称又は氏名

なお、適格請求書を発行するためには、「適格請求書発行事業者」として税務署へ登録をしている必要があります。

パチンコ景品交換所にもインボイス制度が適用される

インボイス制度の導入は、パチンコの景品買取業におおきな影響を及ぼすことが想定されています。

ホールで提供された賞品を個人客から買い取っている景品交換所が、仕入税額控除を受けるためには、個人客から「適格請求書」の発行を受けなければいけません。

「適格請求書」を発行するためには、事前に税務署へ「適格請求書発行事業者」として登録をしていなければならないこと踏まえると、現実に景品交換所を利用する個人客から適格請求書の発行を受けることはほぼ不可能と言って良いでしょう。

こうなると、パチンコ景品交換所の消費税額負担が一気に増加することは避けられず、経営に大きな影響を及ぼすと危惧されております。そのための、対策のひとつとして、注目を集めているのが、本記事で紹介をする「古物商特例」の活用です。

2. インボイス制度によってパチンコ景品交換所が直面する課題とは?

インボイス制度に対して対策を取らないと、パチンコ景品交換所は、消費税納税の際に個人客へ支払った消費税額を控除することが出来ないため、納税額が大幅に増加します。

例えば、景品交換所が4,950円(税込)で景品を買い取り、景品卸業者へ4,983円(税込)で転売をしたとします。その際、これまでであれば、販売時に受取った453円の消費税から、仕入時に支払った450円の消費税を控除し、3円の消費税を納税していました。

しかし、インボイス制度導入後は、個人客へ支払った消費税額を控除することが出来なくなります。そうなると、景品交換所は景品卸業者から受け取った税額453円全額を納税することとなります。

利幅の決して大きくないビジネスにとって、消費税額が増えることの影響は甚大です。対策を取らないと、いままで通りには経営が成りたちません。

3. 古物商特例とは何か? パチンコ景品交換所にとってのメリットとは?

古物商特例とは、古物商が取扱う中古品に対して、通常とは異なる特別な方法で消費税課税を行う制度のことです。この制度を活用することで、適格請求書を発行できない一般消費者からの景品買取りについても、仕入消費税額控除を適用することができます。

景品交換所が取扱う特殊景品は、地金にあたり、通常であれば古物営業法の定める「古物」には該当しませんが、古物商特例では「古物に準ずる物品」として仕入消費税額控除の対象範囲とされています。

ただし、古物商特例を活用するためには、一定の条件を満たす必要があります。所轄の警察署に対して申請を行い古物商の許可を取得し、営業所へ古物営業許可標識を掲示する、仕入相手の本人確認や法令に定められた事項を記帳するなどの古物営業法の義務が課されることとなります。

4. 古物商の許可申請について 必要書類や手続きについて解説

前述の通り、景品交換所が取扱う特殊景品は「地金」に当たり、古物営業法が定める古物には該当しません。そのため、特殊景品の買い取りのみを事業として、古物商の許可を取得することはできません。

景品交換所が古物商の許可を取得するためには、新たに商品券などの古物の買い取り等を行う事業へ参入する必要があります。

そのような事業を行う前提で、所轄の警察署に対して申請書類を提出します。申請書類は日本全国で共通している部分もありますが、都道府県や所轄の警察署の担当者の個々の判断により、追加で説明資料などが求められる場合もあります。

それぞれの書類の書き方のポイントや、集め方については、別の記事で詳しく解説しております。

● 関連記事 古物商の許可|必要書類一覧と書き方・集め方

古物商の許可|必要書類一覧と書き方・集め方

申請書類が警察署へ受理された後、警察署にて審査が行われ、許可証が交付されます。審査には約2ヵ月(40営業日)を要しますため、2023年10月1日のインボイス制度スタートに間に合わせるためには、遅くとも2023年8月までには申請を済ませる必要があります。

5. 当社が提供する「ショシナビ古物商」の特徴とメリット

当社は「スマホからすきま時間の7分で古物商の許可申請を丸投げ」をキャッチフレーズに、古物商の許可申請の代行サービスを提供しております。

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コロナ禍でニーズが高まる2020年10月よりサービス提供をスタートし、北海道から沖縄県まで日本全国の古物商許可申請を累計900件以上サポートしてきました。インターネットから申し込める手軽さがありながら、すべての案件について専門の行政書士が、所轄の警察署と電話で事前調整を行い、丁寧に申請サポートをしております。

また、全国の行政書士と提携をしておりますので、警察署窓口への申請代行についても日本全国対応が可能です。

景品交換所が古物商の許可を取得する流れは、インボイス制度の導入をきっかけに起きた動きとなりますため、警察署としても前例のない取り組みとなります。各所轄の警察署窓口を担当する警察官としても、注意深く対応されることが想定されます。

古物商の許可を専門に、日々所轄の警察署や、各都道府県の警察本部と連絡を取り合っている当社であるからこそ、申請書類の作成や手続き、許可取得後の法令順守について適切なアドバイスを提供し、スムーズに古物商の許可を取得いただくことが出来ます。

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6. 古物商特例を活用することによって、パチンコ景品交換所が消費税納税額を削減する方法とは?

これまで、パチンコの景品交換所が古物商特例を活用するメリットや、古物商の許可の取得方法について解説をしてきました。この章では、パチンコの景品交換所が古物商特例を活用するために具体的に行う必要があることを、より詳細に解説していきます。

(1) まずは適格請求書発行事業者へ登録する

この記事では、景品交換所が仕入消費税額控除を受けるための「古物商特例」活用について解説をしてきましたが、景品交換所にとっての販売先である景品卸業者も同様にインボイス制度の影響を受けます。

景品卸業者からすれば、「適格請求書発行事業者」として登録をしていない景品交換所からの仕入れは、仕入消費税額控除を受けられないので避けたいと考えるでしょう。

2023年10月1日以降も、既存の景品卸業者と取引を継続するためにも、まずは景品交換所自身も「適格請求書発行事業者」へ登録することを忘れないようにしましょう。登録期限は2023年3月末と至近ですので、まずは「適格請求書発行事業者」への登録から済ませておくことが肝要です。

なお、2023年1月20日に財務省が公表したQ&Aの中で、提出期限を超過してしまった場合でも9月末までに申請をすれば、10月1日から「適格請求書発行事業者」として登録を受けられることとなりました。救済措置はありますが、なるべくお早目に登録を済ましておいた方が良いでしょう。

(参考) インボイス制度の負担軽減措置(案)のよくある質問とその回答 > 問19. .令和5年3月末が登録申請の期限ですが、その後の申請では登録できないのですか。(https://www.mof.go.jp/taxpolicy/summary/consumption/qafutankeigen.pdf)

(2) 古物商の許可を取得する

古物商特例を活用するためには、2023年10月1日までに「古物商の許可」を受けている必要があります。

審査期間は法令上、約2ヵ月以内(40営業日以内)とされていますが、都道府県警本部の審査の込み具合によってはオーバーすることもあります。余裕をもって申請した方が、安心して審査を待つことができるかと思います。

インボイス制度の開始日に間に合わせるためには、遅くとも2023年8月までに申請を済ませておく必要があると言えるでしょう。

(3) 古物営業法に従った営業を行う

① 古物商許可標識の掲示を行う

古物商の許可業者には、古物商プレート(標識)の掲示義務があります。
掲示義務違反には10万円以下の罰金刑がありますので、許可を取得したら、まずはプレートを準備すると良いでしょう。

公的な団体や、インターネット上の看板製作業者から購入することができます。
費用は概ね2,000円~3,000円程度で、インターネットで購入した方が安価で購入できる傾向があります。こちらの記事から、購入方法別の費用の比較をご覧いただけます。

● 関連記事 古物商の許可プレートの入手方法・掲示方法

古物商の許可プレートの入手方法・掲示方法

② 本人確認措置と記帳を行う

古物商に求められる本人確認義務

古物商の許可業者には、仕入相手の本人確認を行い、古物台帳へ記帳することが求められおります。記載内容は以下の項目となります。

  • 買取日

  • 買取品名、買取額

  • 買取相手の氏名、住所、年齢、職業

  • 古物商特例の対象である旨

取引額が総額で税抜1万円未満の取引については、本人確認措置が免除されておりますので、古物台帳には1万円未満であることを明確にして記帳しておけば問題ありません。取引額が1万円以上となる場合に、本人確認を行う必要があります。

なお、本人確認措置は対面で行う必要があります。法律上は非対面で本人確認を行う方法についても定められていますが、取引額による本人確認措置の免除がない、本人確認の方法や本人確認書類の保管義務などの要件が厳しくなるため、採用することが現実的でありません。

店舗型のビジネスで、もっとも簡単であると言われてる本人確認方法は、「対面にて住所、氏名、年齢、職業の書かれた書面へ署名を求める方法」であると考えられています。この署名は、紙形式だけでなく、タブレット型端末への署名でも良いこととされています。

しかしながら、上記の方法は虚偽でないことの証跡を残すことが難しいため、多くのリサイクルショップでは、運転免許証等の本人確認書類のコピーを控えとして保管することが多いようです。

特殊景品の買取りに関する本人確認措置について

パチンコの景品交換所の事業者の皆様におかれましては、特殊景品についてもこの本人確認措置を行わなければならないのかという点がご心配事項かと存じます。

この点については、2023年3月現在においては、都道府県によって運用の検討状況にバラつきがあるのが現状となっております。警察にとっても、パチンコの景品交換所が古物商の許可を取得することは、これまでにない動きであるため、都道府県によっては「法令の解釈や事業者様への指導内容」が定まっておらず、問合せをしても正式な回答をいただくことが出来ません。

古物営業法は、日本国内で統一的な法律であるものの、細部の運用については各都道府県警に委ねられており、微妙な差異がございます。そのため、各事業者様におかれましては、ご自身が営業する店舗を管轄する警察署の見解にあわせて対応を取っていただく必要があります。

ここでは、明確な回答を得ることができた一部の都道府県警(東京都など)の見解をご紹介させていただきます。

古物に準ずるものについては、
古物営業法上は本人確認の義務が生じない

パチンコの景品交換所の事業者様が、商品券などの古物の買取りを行う場合は、古物営業法で規定されている通りに本人確認措置を取る必要があります。すなわち、総額で税抜き1万円以上の取引については、もれなく本人確認を行い、古物台帳へ記帳する必要があります。

一方、古物営業法で定める「古物」に該当しない「古物に準ずるもの」の買取りについては、本来であれば本人確認の義務は生じません。消費税法上の古物商特例を活用するために、飽くまでも事業者様が自主的に本人確認措置を行うという位置づけとなります。

従って、特殊景品の買取りについて、古物営業法で定める通りの本人確認を行っていなかったとしても、警察署としては何ら処罰を行う理由はないというのが、当社が東京都を管轄する警視庁へ確認を行った回答結果でした。

このような法解釈にもとづき、総額で1万円以上となる特殊景品の買取りについては、1品ずつ取引を分けて、本人確認の免除取引として記帳をするという方法が有力視されています。

ただし、最終的に消費税の申告の審査を行うのは、所轄の税務署となります。実態として総額1万円以上となる取引を複数の明細に分割して記帳をした場合、古物商特例の適用が認められるのかどうかについては、まだ不透明な部分が残されています。

2023年5月24日(水)18時~19時 オンラインにて、
最新情報を読み解く無料セミナーを開催しました。

パチンコの景品交換所の事業者さま向けに、インボイス制度・古物商特例へどのように対応すれば良いかを解説させていただくWebセミナーを開催しました。

パチンコ業界を専門とした税理士の先生、古物営業法を専門とした当社行政書士が、最新の公開情報、役所等へのヒアリングによる非公開情報を読み解き、根拠つきで詳しく解説をさせていただきます。

また、当日のセミナーについて、リユース業界の業界紙である「リサイクル通信」による取材も行われました。6月10日付のリサイクル通信本紙、オンライン版にてセミナーレポートが掲載されております。

パチンコ景品買取、古物商取得のススメ

オンラインセミナーの見逃し配信も無料配布を行っておりますので、景品交換所の事業者様や関係者の方は是非ご参考くださいませ。

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パチンコの景品交換所さま向け インボイス制度・古物商特例徹底解説セミナー

7. まとめ:パチンコ景品交換所が古物商の許可を取得して、消費税額控除に関する古物商特例を活用することの重要性とメリットについて

今回は、日本で10月からスタートするインボイス制度により、パチンコ景品交換所が直面する課題について取り上げました。また、この問題を解決するために、古物商特例を活用し、古物商の許可を取得する方法が注目を集めています。

古物商特例を活用することで、パチンコ景品交換所は、仕入消費税額控除を適用することができるため、消費税納税額を削減することができます。

当社は、古物商の許可申請代行のサービスを提供しており、パチンコ景品交換所の皆さまが円滑に手続きを進めることが出来るようサポートをしております。お電話やメールでの個別のお問合せについても承っておりますので、お気軽にご相談くださいませ。

(参考) 東京商業流通協同組合 古物商特例と国税庁及び警察庁への確認を踏まえた商品買取法人等の対応 https://www.tsr.or.jp/wp-content/uploads/2022/06/zenryusyo20220601_2.pdf
(参考) 和歌山県警 古物商・質屋の方へ 適格請求書保存方式に対応が必要となります https://www.police.pref.wakayama.lg.jp/03soudan/seiantodokede/documents/invoice.pdf

この記事を書いた人

皆川 裕介

行政書士(登録番号:19080399) / 日本証券アナリスト協会検定会員

株式会社ショシナビ 代表 ショシナビ行政書士事務所 代表行政書士 古物商許可を専門分野とし、全国対応で許可申請および実務支援を行っている行政書士。 2026年7月時点で、古物商許可に関する申請・相談対応を累計3,335件以上行っている。 無許可営業状態からの是正、法人・多拠点での申請、業態変更や移転に伴う変更届対応など、 古物営業法の運用を踏まえた実務対応を継続的に行っている。