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古物商の許可|欠格要件とは、その対処方法

皆川 裕介

2022/5/29

古物商の許可申請には、代表者、役員、管理者が該当すると1発アウトで不許可となる欠格要件というものがあります。

「過去にちょっとした犯罪歴があるのだけど、古物商の許可は取れるだろうか」
「過去に破産手続きをしたことがあるのだけど、古物商の許可は取れるだろうか」

「収入が少なかったり、借金があっても、古物商の許可は取れるだろうか」

この記事は、このような疑問をお持ちの方に向けて書いています。

結論から申し上げますと、

  • 犯罪歴や破産歴などがあったとしても、時期や内容によっては欠格要件に該当しない場合があります

  • また、該当する項目によっては対策をすることで欠格要件から回復することが出来ることもあります

こちらの記事では、欠格要件の詳しい条件とその対処方法について解説しています。
それでは、まいりましょう。

目次

1. 古物商許可の欠格要件とは

欠格要件に該当する場合、許可を受けることが出来ません。
また、不許可となったとしても、申請にかかる手数料は警察署から返金されません。

まずは、欠格要件の一覧を確認し、思い当たるものがないかをご確認ください。
不安なものがある場合、本コラムの第2章「詳しい条件と対策方法」をご確認いただければと思います。

欠格要件

  1. 破産手続きの開始の決定を受けて復権を得ない方

  2. 犯罪歴のある方

  3. 暴力団関係者

  4. 過去に古物営業法違反で許可を取り消されたことがある方

  5. 住居の定まらない方

  6. 心身の故障により古物商の業務を適正に実施することが出来ない方

  7. 未成年者

収入面でノックアウトとならないかを気にされる方もいらっしゃいますが、収入や借金の有無は問題となりませんので、ご安心ください。

2. 各欠格要件の詳細と対策方法を解説

欠格要件に該当するものがある場合、対策することが可能な場合もございます。

破産手続きの開始の決定を受けて復権を得ない方

→ 対策できる場合があります

破産者であっても、復権していれば、古物商の許可を取ることが出来ます。
破産の手続きと、免責(復権)の手続きはセットで行われることが多いため、破産歴があるからといって、必ずしも欠格要件には該当しません。

ギャンブルによる破産等、破産の理由によっては、免責が認められない場合もあります。
免責が認められなかった場合でも、破産宣告から10年が経過していたり、借金を完済していたりすれば、裁判によって復権が認められる場合があります。

犯罪歴のある方

→ 犯罪の内容、時期によります

懲役、禁錮の判決を受けた場合は、欠格要件に該当します。
罰金、拘留、科料の場合は、原則欠格要件に該当しません。

ただし、窃盗罪、背任罪、遺失物横領罪、盗品等有償譲受け罪の4つの犯罪は、罰金であっても、欠格要件に該当します。
古物商の許可は「盗品の流通を防ぐ」ことが趣旨の法律ですので、窃盗などの特定の犯罪は特に厳しい条件を設定しています。

なお、刑期を終えて5年が経過していたり、執行猶予が明けていたりすれば、上記の犯罪歴があっても、古物商の許可を取ることが出来ます。

暴力団関係者

→ 辞めた時期によります

暴力団をやめて5年が経過、暴対法により公安委員会から命令または指示を受けて3年が経過していれば、古物商の許可を取ることが出来ます。
現在、暴力団員である場合や、暴力団でなくても犯罪組織で集団的または常習的に暴力的不法行為をする恐れがあると認められる場合は、欠格要件に該当します。

過去に古物営業法違反で許可を取り消されたことがある方

→ 取り消しされた時期によります

古物商の許可を取り消されてから、5年が経過していれば、古物商の許可を取るこが出来ます。

住居の定まらない方

→ 対策できます

住民票の所在地に住んでいない場合が該当します。
実際の住所地と住民票の住所地が異なる場合は、住民票を移動するようにしましょう。

住居の建て替えによる仮住まいや、単身赴任等、住民票の住所地に一時的に住んでいないことに合理的な説明がつく場合は、その旨を書面で示します。
個別に管轄の警察署に相談されると良いでしょう。

心身の故障により古物商の業務を適正に実施することが出来ない方

→ 個別に審査されます

精神障害があるからといって、ただちに欠格要件に該当するわけではありません。
適正な判断が出来るかどうかを個別に審査されます。

弊社では障碍者手帳のある方の古物商許可申請のサポート実績も複数ございます。ご心配な点がございましたら、まずはお気軽にご相談くださいませ。

未成年者

→ 対策可能な場合もあります

結婚している場合、成人と同等に扱われるため、欠格要件には該当しません。

それ以外のケースでは、親族の死亡等により古物営業を相続した場合、法定代理人(親)から営業を許されている場合は、未成年であっても、古物商の許可を取ることが出来ます。
ただし、未成年登記という特殊な手続きを経る必要があり、手続きの難易度は高くなります。

3. 欠格要件に該当すると、不許可となり申請費用は返金されない

古物商の許可申請は、書類に不備がないか等の形式面のチェックが行われた後、都道府県警察本部にて詳細な審査が行われます。本部にて行われる審査の中で、特に重要な審査項目が、本記事で紹介してきた欠格要件となります。

欠格要件の審査方法の詳細は、明かされておりませんが、警察署独自の情報網を使って審査を行っていることがわかっています。

審査の結果、欠格要件に該当することがわかると、古物商の許可申請は不許可となり、申請時に納めた19,000円の申請費用も返金されません。

複数名の役員がいる法人や、営業所の管理者に従業員を任命するする場合は、特に注意が必要です。古物商の許可申請をきっかけに、秘密にしていたことが明らかになり、人間関係にひびが入るといった恐れもありますので、欠格要件については事前に必ず確認を取るようにしましょう。

4. 許可取得後、欠格要件へ該当した場合は取消事由になる

ここまでは、古物商の許可を新規に取得する際の審査について、主に焦点を当てて解説をしてきました。では、許可取得後は、欠格要件は関係なくなるのかというと、そういうわけではありません。

許可取得後に、刑罰を受けるなどして、新たに欠格要件に該当することとなった場合、古物商の許可の取消事由となります。

そのため、法人で新たに役員を任命したり、営業所の管理者を従業員に任せる際は、許可取得後も欠格要件に該当しないかどうかを確認するようにしましょう。従業員の場合は、採用面接の際に「古物商の許可の審査で、あとで発覚してしまうから、もし気になることがあるようなら必ず教えてください」と伝えると良いでしょう。

まとめ

欠格要件に該当してしまった場合、許可が降りません。

その場合、欠格要件が解消するまで時期を待つか、(法人であれば)別の役員を立てる等の対策を行うこととなります。

弊社では欠格要件に関してご心配のある方のサポート実績も多数ございます。ご心配な点がございましたら、まずは電話やメールにてお気軽にご相談くださいませ。

この記事を書いた人

皆川 裕介

行政書士(登録番号:19080399) / 日本証券アナリスト協会検定会員

株式会社ショシナビ 代表 ショシナビ行政書士事務所 代表行政書士 古物商許可を専門分野とし、全国対応で許可申請および実務支援を行っている行政書士。 2026年7月時点で、古物商許可に関する申請・相談対応を累計3,335件以上行っている。 無許可営業状態からの是正、法人・多拠点での申請、業態変更や移転に伴う変更届対応など、 古物営業法の運用を踏まえた実務対応を継続的に行っている。